青少年のための科学の祭典 - 2017 おもしろ科学まつり - 和歌山大会

ご挨拶

日本の科学技術は,ずっと世界のトップを走ってきました。しかし,近年の新興国の技術革新はめざましく,日本のトップの座は危うくなってきました。 これ自体は,今の私達の暮らしの中での大きな問題には感じられないでしょうが,子ども達の将来の日本の世界での地位はどうなっているか,心配になります。 その大きな原因として,子どもや若者世代の「理科ばなれ」「科学ばなれ」が言われるようになって久しく,日本の顕在的な課題となっています。 便利なインターネット社会になったこともあり「全ての答はスマホにあり」さながら,情報や知識を受動的にしか扱えない傾向のある人が増え,能動的に何かを生み出す人は減り続けています。 その範囲は,理科分野に限らず,文系分野にまで及んでいます。 このため,次世代を担う幼児〜若者世代に対し,分野によらない「科学の面白さ」や,「科学を活用した豊かな暮らしの素晴らしさ」を教育する必要が生じています。 大人の「理科ばなれ」「科学ばなれ」も実は大きな課題で,これも解決する必要があります。
一方,人口減,経済の停滞が継続している地方の未来は不安でいっぱいです。近年では,地元愛を醸成しようとして,学校などで地元教育を行うようになりました。 しかし,そこで獲得した地元愛を理由に「地方で暮らすという人生」を設計する人の割合が果たして増えるのか? おおいに不透明です。若者世代にとっては,大人から押しつけられた地元愛,つまり大人世代が若者の選択肢を狭めている行為だ,と受け止められてしまう危険性もあります。
今回の「2017おもしろ科学まつり」では,二つの主旨を設定しました。まず,幼児〜若者世代に現物の科学に触れてもらうことを第一の主旨としました。 知ること,出来ることの喜びを感じてもらう工夫を凝らしました。理系分野に止まらず,歴史文化など文系分野の面白さもテーマとしました。 また,第二の主旨は,お子さんご自身はもちろん,その保護者の皆さんにも,地元である和歌山の科学技術が高いレベルにあることを実感してもらうことに置きました。 地元企業や行政の出展を誘致し,そこでの体験を通じ「和歌山イケテルやん」など,地元で暮らし続けることへの自信を深める最初のステップになればと考えています。 保護者の皆さんには「和歌山って(意外に)イケテルんやで」など,お子さんなどが将来も地元に残って暮らすことを自信もって勧められる, 地元和歌山への評価を高めて頂く機会になればと考えています。
科学は,分野によらず,様々な場面で私達の暮らしを豊かにします。地元を豊かにします。だからこそ,世代を超えて「科学ばなれ」を食い止める必要があります。 今回の「2017おもしろ科学まつり」が,その第一歩となることを期待しております。何より「科学は楽しいんだ」ということを来場者の皆様に体感していただける,そんな機会になれば幸いです。

ダウンロード

開催要項(PDF)
(2017年9月20日更新)
ポスター(PDF) チラシ(PDF)

2017年度実行委員会(2017年7月11日現在)

〇 実行委員長
中島 敦司 (和歌山大学システム工学部)
〇 実行委員
栗柳 哲也 (和歌山市理科教育研究会)
野上 聖児 (和歌山市教育委員会(和歌山市立こども科学館))
津田 尚明 (和歌山工業高等専門学校)
藤木 郁久 (和歌山県立桐蔭高等学校)
吉田 久視子 (和歌山県庁自然環境室)
森 浩基 (和歌山県教育委員会)
仁藤 伸昌 (近畿大学生物理工学部地域交流センター)
樋口 陽平 (近畿大学附属和歌山高等学校中学校)
竹原 秀也 (株式会社和歌山リビング新聞社・日本宇宙少年団和歌山分団)
岩城 徹 (一般社団法人和歌山県発明協会)
阪本 博子 (一般財団法人雑賀技術研究所)
重藤 和明 (一般財団法人雑賀技術研究所)
齊尾 茉里 (m art space)
岩﨑 仁 (和歌山大学教育学部附属小学校)
吉村 旭輝 (和歌山大学紀州経済史文化史研究所)
古賀 庸憲 (和歌山大学教育学部)
三浦 浩一 (和歌山大学システム工学部)
東 悦子 (和歌山大学観光学部)
〇 事務局長
西村 竜一 (和歌山大学システム工学部)